個を知り、個を導く

2018年9月28日
vision-editor 塾長ブログ

最近、一泊二日で家族旅行に行った。
その旅館は初めてだったが、昨年末に改装したばかりで、部屋は美しく、眺望も素晴らしかった。

一方、食事はと言うと、席ごとに担当する方が専属しているのではなく、料理ごとに違う方が運んでくる。その運んでいる人は、自分が担当する料理だけを全席に配る仕組みのようだ。
確かに、そうすれば料理の提供漏れを防止できそうだ。
しかし、この方式では、各席の食事の進行状況を把握している方がいない訳で、適切なタイミングでの料理の提供が難しい。
それを回避するためか、木箱などに複数の料理を詰め込んで、席に料理を運ぶ回数を減らすようにしていた。
結果、各席のお客様と旅館の人が対話を行う場面はほとんど生まれず、お客様と旅館の人と人の関係が築かれることはなかった。
これでは、お客様の生の声も、旅館には届かないだろう。

改装の投資を回収するためか、効率を追求した結果、疎で温かみのない場所となってしまったようだ。
建物や眺望といったハード面は優れているが、サービスや接客といったソフト面は残念だった。

この一泊二日は、私に初心を思い返させる良い機会となった。

Visionは、相変わらず小規模ではあるが、一学年15人しか受け入れられなかった創業時よりは大きくなった。
この方法の方が効率的だと言う発想で業務の見直しをする場面もあるが、効率化は画一化につながる面があることを強く念頭に置かなければならない。
塾生一人ひとり異なる人間なのだから、一人ひとりを理解して指導を行うことがもっとも重要であり、これが創業時から変わらぬVisionの根幹である。

また、一般に、業務をルーティン化すればするほど、効率は上がるが、各講師自らの創意工夫や試行錯誤はなくなっていくし、自分の担当業務以外の状況も把握して全体を見るという視点は薄らいでいく。全体が見えなければ、各講師が柔軟かつ臨機応変に振る舞うことは不可能となり、結果自分の仕事だけを守る部分最適化が始まる。
こうした弊害を避けるため、Visionでは、過度のルーティン化を行わず、一つの学年を複数の講師が担当して情報を共有することによって、講師全員が塾生の個を把握し自ら考え行動することを方針としている。
塾生が一人ひとり違うのだから、講師が自ら考え動けるかが、塾の生命線だ。
私自身がすべての塾生の状況把握をしてコントロールセンターを担っている中、講師それぞれが自ら指導方法を改善し、必要となるプラスアルファの業務を行っていることも多いし、互いに知恵を出し合ったり相談をしている場面も多くある。

Visionは少し大きめの個人塾である。
あらゆる業務をシステム化し、効率主義に立たざるを得ない大手塾になる必要はない。
「個を知り、個を導く。」
このVisionの根幹は、今後も変わることはない。