塾長ブログ

2019.06.09

塾生自身による自律型PDCA

中学校で行われる定期試験で、Vision生はその30%から40%が学年トップ10入りする。
時折、入塾説明会の時に、「定期試験対策は過去問を行っているのですか?」という質問を受ける。
答えは「No」だ。
Vision、Fine!ともに、定期試験の過去問は一切行わない。
これは創業時からの一貫したこだわりであり、ルールだ。

なぜか。

上位校を目指すVision生にとって、基本の完全な習得は当たり前、加えて高度な応用力が求められる。
ここで言う「高度な応用力」とは、公立入試の応用問題に留まらず、上位私立の入試で必要となる中学校の指導要領を超えた発展的な力を含む。
こうした背景から、Visionは日頃から指導要領を超えた多くの発展的な問題に取り組み、日々応用力の向上を図っている。
直接的に追い求めている指標は偏差値(発展的な問題も出題される然るべき模試)であり、基本的な問題が多くを占める学校の定期試験の順位は、自ずと結果としてついてくると考えている。

もし定期試験の過去問を行ったとしたら、きっと塾生の思考は、定期試験の順位を「安易かつ直接的に」追い求める方向に動くだろう。
そして、苦労少なく手に入れた結果に満足し、受験で最終的に求められる、本来、思考の中心にあるべき「高度な応用力」の習得に不可欠な「努力」は、頭の隅っこに追いやられそうだ。
さらには、何をすべきかを「待つ人間」につながり、自分の弱点を把握し、その改善策を考え、実行し、結果を確認すると言うPDCAによる継続的な改善を行える「自律型の人間」からは遠い存在になるように思えてならない。中学生時代に基本的な学びのスタイルが構築されることを考えれば、その影響は社会人になった後も根深く残りそうだ。

こうした考えから、Vision、Fine!ともに定期試験の過去問は一切行わない。
Visionの定期試験対策では、試験範囲を網羅的に復習し、基本だけでなく多くの応用問題にも取り組む。
それが振り返り学習となって基本+応用の学力定着化につながり、結果として定期試験の順位も偏差値も上がり、両取りとなる。

そして、定期試験の都度、改善点や今後の取り組みを塾生自身が自ら考えるプロセスをとっている。
それを受けて、私から塾生一人ひとりに学習アドバイスを送るといった流れだ。
初めはなかなかできないが、中2くらいになるとほとんどの塾生が自ら改善を図る自律型PDCAを行えるようになる。
この自律型PDCAが受験勉強の強力な武器となる。

目の前にとらわれることなく、本質的な学力と、将来に生きる学びのスタイルを構築すること。
それがVisionの方針であり、こだわりである。